最近では年賀状を出す人が減り、LINEなどでのやり取りが増えています。
たしかに電子データとしてやり取りした方が便利ですし、年賀状を出す、それも手書きとなると手間です。
しかしデータとしてのやり取りが増えているというのは、逆に言えば年賀状の希少性が上がっているということ。
一見すると不便の塊に見える年賀状ですが、使い方次第では大きな効果を発揮します。
目次
減り続ける年賀状
電子メールやLINEの登場でコミュニケーションは便利になりました。
紙媒体そのものが減少しているのも当然の流れで、年賀状の減少の理由として「利便性」は小さくありません。
日本郵便が今年の元日に配達した年賀状は前年比約6%減の16億4000万枚となり、8年連続で前年を下回った。
年賀状は例年、7割程度が元日に届く。元日の配達枚数は、ピークの1993年から4割も減った。電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及が背景にある。
LINEなどでやり取りするのが便利なのは事実ですし、年賀状についても直接のメリットが感じられないのも否定できません。
ただ、年賀状を出す人が減ったというのは「年賀状を出すとマイノリティになれる」ととることもでき、手間暇かけた感と合わせることで一定の効果が期待できます。
減っている今だからこそ書く意味がある
年賀状や紙媒体に限らないことですが、マイノリティになるというのはそれだけ希少性が生まれるということです。
手書きが普通の時代は手書きがマジョリティであり、そこには希少性がありません。
そして希少性がないということは、そこまでのメリットがないということ。
手書きは手書きが主流の時代にやってもそこまでのプラスにはならず、手書きが主流でない時代にこそ価値が生まれるのです。
多くの人が利便性からメールを送るなか、あえて手書きで手紙を送ったらどうでしょうか?
相手への敬意をハッキリと表現できますし、希少性という点で埋もれるのも回避できるでしょう。
情報化がこれだけ進んだ社会だからこそ手書きは効果を発揮し、目立つ、埋もれないなどといった恩恵が受けられるのです。
希少性と手間暇かけた感を上手く使う
情報化が進んだ現在での年賀状のメリットは以下の通り。
- みんな送らないから希少性が得られる
- 年賀状を送る人が減ったので、その分印象に残りやすい
- 手書きのメッセージによって敬意を表すことができる
これらのメリットを用いることで相手への尊敬、もしくはヨイショすることが可能です。
褒められてイヤな人はいませんし、尊敬されてイヤな人はいません。
相手を思う気持ちを年賀状で表現するのは紙媒体が減っている今だからこそ有効で、印象に残りやすいことを考えれば、意思表示のかなり有効な手段ということができます。
紙媒体も立場を意識することで活きる
ここまで年賀状や紙媒体のメリットを述べてきましたが、メリットを加速させる条件も存在します。
それは上下関係。
相手と立場に差がある場合、対等な場合と比べてよりメリットは大きくなります。
相手はこんなに多忙な人なのに、わざわざ直筆のお礼状までもらってと感激する。秘書から電話をもらうと、自分も大物と付き合っているという臨場感が増し、さらに気分が高揚する。そして「やはり上に立つ人はレベルが違う」と周囲に勝手に宣伝してくれるのだ。
出典:お金持ちが「ありがとう」というのはなぜか? | お金持ちの教科書
引用した例ではお礼状について書かれていますが、お礼状以外にも当てはまることです。
もしあなたが目上の人から直筆のメッセージを添えて年賀状が送られてきたら、嬉しくなるでしょう?
あるいは些細なことに対しても手書きでお礼をしてもらえると、「わざわざこんな自分まで意識してくれているんだ!嬉しい!」みたいになるはず。
上の立場にいる人間がわざわざ手間暇かけている様子が伝われば、下の人間は喜ぶものです。
上下関係は利用してなんぼ
人間関係は対等であるべき、というのは理想論。
現実には上下関係をハッキリさせたほうがうまくいきますし、余計なコミュニケーションも発生しません。そして現実に上下関係は数多く存在します。
世の中が上下関係だらけならば、それを利用しない手はありません。
もしあなたが誰かより上の立場に立つことがある、あるいは相手が自分のことを尊敬している場合、紙媒体は相手を動かす大きなヒントになります。
紙媒体という意外性の塊を利用することで、相手を狙い通りに動かすことが可能です。
自分が何か行動するときには、相手との位置関係をよく理解しておいた方がよい。意外感を出す戦略は、ごくわずかであっても自分が「上」に立っている時でないと効果を発揮しない。対等または自分が「下」の立場にいるときには、かえって逆効果になることもあるので注意が必要だ。
出典:お金持ちが「ありがとう」というのはなぜか? | お金持ちの教科書
目上の人から褒められると下の人間としては嬉しいもので、120パーセントのパフォーマンスを出したりするもの。
年賀状を送るのは「ありがとう」と言うのと同じで、立場が下の人間を使うには非常に効果的な手段です。
まとめ
年賀状でなくともお礼状や暑中見舞いでも本質は同じで、手書きという面倒な道がマイノリティと化している以上、やったほうが得。
自分の立場を理解すれば、紙媒体は人を動かす有力な手段となりえます。
紙媒体が減るというのは、紙媒体の希少性が上がるということ。
メールでのやり取りが増えるのは、メールの希少性が下がるということ。
コミュニケーションにおいて何を重視すべきかは状況によって変わりますが、希少性を使うのは効果的です。
わずかなコストで人を動かすという大きな効果が得られるのは、ローリスクハイリターン以外の何者でもありません。
紙媒体も立場がわかっている以上はやって損はなく、自分の価値を高める便利な手段なのです。