「人間関係を整理したいけれど、なかなか踏み切れない」
「付き合いを整理するなんてなんだか悪いことのように感じる」
人間関係を整理するということに対して、罪悪感などから躊躇してしまう人は多いです。そうして付き合うべきではない人とばかり付き合い、自分だけが我慢して損をする…
人間関係を整理するにあたっては、損得で考えるクセをつけるといいでしょう。
判断基準は、自分にとってメリットのある関係か、そうでないか。ただそれだけ。
人間関係を損得で考えることはタブーのように見えますが、実際には利害関係で考えたほうがやりやすいです。人間関係を戦略的に築くことは悪いことではなくて、むしろ気持ちのいい人間関係のためには欠かせなかったりします。
目次
損得で考えれば怖くない
人間関係に損得を持ち込むと聞くと、
- 利害で人間関係を考えるのはよくない
- 戦略的に人間関係を築くなんて卑しい
ということを思い浮かべると思います。
しかし実際には損得を積極的に持ち込むべきであって、自分にとって過ごしやすい人間関係というのも損得をベースにしなければ生まれてきません。
考えてみてください。
あなたにとって利益のある人間関係と、何の利益もない人間関係、どっちが嬉しいでしょうか?
タテマエのうえでは利益なんて卑しいと考えてしまうのでしょうけど、実際には利益のある人間関係の方が圧倒的に快適。メリットのない付き合いで消耗することはありません。
あなたにメリットがあるということは、あなたが人間関係においてぞんざいに扱われないということ。あなたが有利な立場にいるからこそ気持ちよく過ごせるのであって、ぞんざいに扱われるような関係については続けていてもメリットは皆無です。
人間関係を損得によって整理するというのは、あなたにとってメリットのある人間だけで身の回りを固めるということです。あなたが利益を受けられる環境であれば気持ちよく過ごせますし、だからこそ人間関係を損得で考える必要があります。
損しかない人間関係は真っ先に整理
とはいえ、「メリットのある関係を残せとはいうけど、やっぱり整理に踏み込みにくい」と考えてしまうのが情というもの。
こういうときは逆を考えるべきであり、あなたにとってデメリットしかない人間関係は、遅かれ早かれ精神的な負担になるということに気づければ問題ありません。
なぜ人間関係の整理に躊躇してしまうかといえば
- 人間関係を断捨離するなんて卑しい
- 縁を大切にしないと失敗する
という思い込みがあるからであり、「その人間関係は、あなたにメリットをもたらすか」という視点が欠けているのです。
あなたが悪口を言われるばかりのコミュニティにいて、果たしていい思いをするでしょうか?
要はそういうことで、デメリットの面で考えれば自分がぞんざいに扱われる関係を続けていても仕方がないと気づけます。
善悪で考えると人間関係の整理に躊躇する
人間関係を損得ではなく善悪で考えるから付き合いの整理に踏み込めず、人間関係を整理することに躊躇してしまう。そうした結果、あなたが不快感を我慢してストレスを溜め込んでしまうのは自明なことです。
善悪なんてものを持ち込むから人間関係において消耗するのであって、損得という地に足の着いた考え方であれば消耗することもありません。
そもそもの話、善悪という考え方自体、浮足立ったものです。何をもって善とするのかが曖昧ですし、なぜ悪となってしまうのかもハッキリとした理由もハッキリしたものではない。
その一方で、メリットデメリットで判断するというのは明確な判断基準があり、付き合う理由も論理的に説明できるため、付き合う理由に悩むということもないのです。
損得で人間関係を考えるというのは、論理的思考力のひとつの形です。付き合うのにハッキリとした理由があるからこそ付き合おうと思いますし、メリットがなければ付き合う必要もないとわかります。その「ハッキリとした理由」ことが、快適かつメリットのある人間関係のカギなのです。
損得での判断は論理的でムリがない
損得で考えると一見して人間関係がぎこちないものになるかのように思えてしまうのですが、実際には過ごしやすくなるものです。
損得という論理によってできた関係というのはムリがなく、「なぜ付き合いを続ける必要があるのか」といった問いに対しても即座に理由が出てきます。
居心地の悪い関係を断ち切れないのは「なぜ付き合うのか」という理由があいまいだからであって、確固とした理由がないからこそズルズルと付き合いを続けてしまうのです。
論理によってできた関係というのは柔軟性があり、付き合う理由に悩むということもありません。善悪というあいまいなものを基準にするからこそ、付き合いに不快感を感じてしまいます。
一見してドライに見えるが、かえって効果的
損得や論理というキーワードを人間関係に持ち込むのはドライなように見えますが、持ち込むことでかえって快適さは増します。
人間関係を善悪で判断するからこそジメジメした関係になってしまい、付き合いに快適さがなくなってしまう。そこで損得というドライな判断基準を持ち込むことで、ちょうどいい感じの湿度になるのです。
親しい仲にも礼儀ありという考えのもと、線を引いた付き合いをするというのは、和を重視する価値観からすればタブーなように見えるかもしれません。しかし和をベースとした人間関係は湿度がありすぎて、付き合いに不快さが生まれてしまいます。
メリットデメリットを基準とした考え方を人間関係に持ち込むことによって、湿度は快適なものとなり、居心地は大幅に改善されるでしょう。損得というわかりやすい基準を持ち込むことで、人間関係における湿度はちょうどいいものになるのです。
距離を置くことからはじめる
さて、人間関係の整理についてですが、これにはコツがあります。
メリットデメリットで考えれば人間関係を整理する理由ができ、整理することに対して躊躇もなくなるでしょう。
しかしながらいきなりバッサリと整理するのはむずかしく、急激な変化についていけない可能性があります。
そこで有効なのが、距離を置くこと。
- スケジュールを自分のことでいっぱいにする
- 面倒な人間関係に関わる機会をスケジュールに入れない
予定を埋めてしまえば面倒な関わりともオサラバできますし、何より予定が入っているという理由があるために人間関係の整理についても考える必要がなくなります。
つまりはメリットがなく不快感しかない関係から距離を置いてしまおうというもので、予定が入っているという理由が存在することにより、自然と距離をおけるようになります。
忙しい「フリ」でも問題ない
もし関わりたくない人と会ってしまったら、忙しいフリをするのも効果的です。
スケジュールを埋めたとしても、面倒な相手に会ってしまう可能性はゼロではありません。そこで忙しい「フリ」の出番です。
面倒な相手に声をかけられて、バカ正直に話すのではなく、予定が入っているから忙しいと言ってその場を後にする。これが意外と効果的で、面倒な付き合いを避けるという点で大きく貢献してくれます。
忙しい「フリ」をすることに対して抵抗感があるかもしれませんが、そこは悩むところではありません。忙しいからと演じなければかえってあなたの時間がなくなってしまい、どうでもいい人間関係に時間と気力を消耗することになってしまいます。
世の中の半分は実体のない情報で動いており、嘘も方便。あなたが忙しいからといったところで突っ込まれても忙しいの一点張りにしてしまえばよく、正直に時間があると答えてしまうとかえって消耗することになってしまうのです。
まとめ
人間関係を整理すること、付き合いを減らすことに対して、戸惑ってしまうかもしれません。その戸惑いは善悪というあいまいな判断基準からくるものであり、メリット・デメリットという地に足の着いた判断基準を用いれば人間関係の整理もしやすいです。
自分に正直になり、自分にとってメリットのない関係を減らせるか。
自分にウソをついて不快感だらけの人間関係を続けてしまうことはストレスの原因であり、いいことはありません。
メリットがあるかないかで考え、不快感とはオサラバしてしまうのが快適な生活の秘訣です。