大学生にとって、就活は一大イベントです。
大企業はみんなに人気ですし、学生はホワイトで給料がいいところ目指して就活をします。
しかし就職という選択肢を、時間の投資だと考えているひとは少ないです。
多くの大学生にとって就職とは進路を決めたり仕事に就いたりといったものですが、時間を企業に提供するという点についてはほとんど触れられません。
ひとつの企業にとどまるのは自分の人生を預けるようなものですし、若くて貴重な時間を提供するということに躊躇するという話は皆無です。
実際には自分の時間を投じて何が得られるかが重要なのですが、大半の学生にとって就職しての生活は消費物となっているのです。
目次
多くの学生は投資の実感がない
「給料のいいところに就職して、楽な暮らしがしたい」
多くの学生のホンネはこれで、ホワイトな会社の枠には多くの学生が殺到します。
学生にとって大企業は楽して稼げるの代名詞であり、大企業に入る入らないがカーストを作ることもめずらしくありません。
しかしながら、ここに投資の概念を持ち込むと見えるものが変わってきます。
就職するというのは、自分の時間を投じて何を得られるのかの問題。
貴重な自分の時間だからこそ情報収集は徹底的にすべきだし、生のものを見るのも当たり前。
最終判断は自分でする必要があり、他人に判断を任せると自分がイヤな思いをする。
ほかにもブラック企業や結果が出にくいところを辞めるのは、損切りと考えることができるでしょう。
いかに少ない時間で、自分の好きなように時間を使えるかのゲームです。
ただ就職して働くにあたり、自分の貴重な時間を使うというのは見逃せません。
時間というのは元に戻せない類のものですし、若い頃の時間となればなおさら貴重です。
自分の貴重な時間を預けられるか
一度使うと取り戻せない自分の時間を、果たして企業に預けられるか。
若い貴重な時間を何のためらいもなしに預けてしまうあたり、時間に対して無神経なひとは少なくありません。
多くの学生にとって自分の時間を提供しているという感覚はありませんし、貴重な人生の一部分を切り売りしているという感覚もないのです。
もし年単位で自分の時間が失われることを考えているのであれば、軽々しく名前だけ見て決めるという選択もしないでしょう。
それどころか就職という選択肢そのものに対しても慎重になるはずで、みんなと同じ選択肢に安心を覚えてしまうのはそれだけ自分の時間、さらには人生に対して無関心ということです。
事前の情報収集は大切
就職を時間の投資という観点から考えれば、情報収集を徹底するのは当然のことでしょう。
自分の時間を投じることになる以上はこれでもかというほど情報収集すべきですし、生のものを見たり、公開されている情報とウラの情報を合わせて考えるのは当たり前です。
投資というのは情報収集しての判断が重要で、時間を投資する場合も変わりません。
自分が時間を投じる対象を研究し、本当に時間を投じていいのか考えるのが普通です。
そのほかにも
- 就職先は最終的には自分だけで判断する
- 話し合いは参考程度にとどめる
あたりは基本的なことなのですが、最終判断を自分でせず、親や先生に頼ってしまうひとは少なくないです。
投資は複数人で話し合ってするようなものではありませんし、自分の行き先については周囲よりも情報を持っておくべきです。
話し合いによる決定は責任のなすりつけ合いが生じ、最後には「なんとなく」という理由からブラックボックスを選んでしまうでしょう。
また自分の行きたい業界・興味ある業界については知識があって当然で、業界に疎い人間に判断を頼るのは本来はありえないことです。
就職先の最終判断は自分ですべき
どこに行けばいいか、この会社にいくべきなのかは、最終的には自分で決めるべきことです。
そこを業界事情に疎い親や友人に判断を任せ、あとになって後悔する学生は多数存在します。
就職というのを時間の投資で考えれば、どこに行くかの最終判断は自分で決めるべき。
「投資の最終判断は自分だけでしろ」というように、自分の時間を投じる以上は最終判断を複数人で行うべきではないのです。
にも関わらず、ブラックだの何だのを気にして周囲に相談する学生は後を絶ちません。
「本当にここに行っていいのだろうか」と自分では判断せず、業界のことを何も知らない人間相手に判断してもらう。後悔するのが目に見えています。
相談や話し合いは参考程度に
結局、話し合いや相談というのは参考資料にとどめるのがベター。
自分のことは自分が一番よく知っているはずですし、自分の興味あることについては自然と調べて知識がついているものです。
自分以外の人間はたとえ親であろうとも、あてにしてはなりません。
自分の時間を投資する以上はそれぐらいの厳しさでも問題なく、周りは想像以上に自分に対して無関心で無責任なのです。
そもそも、自分の興味ある業界に対して自分より知識を持っているひとはどれぐらいいるでしょうか。
自分事のように考えてくれる都合のいい人間がいるでしょうか。
自分の行動に対して周囲から何かしらの意見は飛んでくるものですが、それをあてにして行き先を決めるというのは損をする典型パターンです。
自分で決めたことであれば後悔も少ないでしょうが、最終判断を他人に任せるとほぼ確実に後悔します。
ブラック企業や苦手な領域なら損切り
就職が時間の投資であるならば、損切りも当然のように存在します。
ブラック企業や得意でないフィールドというのは損切り対象の代表例で、損切りできずにズルズルと時間を消費するパターンは多いです。
大学生は卒業すると社会人1年目。
まだ右も左も分からない人間に対しては洗脳するかのごとく「まず3年続けろ」みたいなのが言われ続け、言われる側もそれが真実であるかのように信じてしまいます。
実際には結果が出にくい土俵や搾取がひどい環境からはとっとと逃げてしまったほうがよく、得意で頑張ったほうが時間を有効に使えます。
しかし洗脳というのはおそろしいもので、ついていけないとわかっていても辞める人間のほうが少ないです。
損切りできないとどんどん時間が消えていく
もし自分の苦手な領域に来てしまったのであれば、環境を変えるという選択も考えるべきでしょう。
最低限ノウハウを身に着けたら自分の得意領域に行くべきで、そのほうが時間をムダにせずに済みます。
自分の苦手にとどまるのは、時間をズルズルと消耗するだけです。
結果が出にくい、染まりきれないと感じたら損切りを考えてもよくて、そこで思い切って損切りができないと時間をムダにしてしまいます。
人間関係や費やした時間を気にして損切りができないというのは多いですが、ズルズルと引きずることのメリットは小さいです。
埋没コストに固執してしまって時間をどぶに捨ててしまっては元も子もありません。
ブラック企業は体だけでなく時間をも奪っていく
「まず3年」という刷り込みは、ブラック企業をやめさせないためのものです。
キツい、耐えられないと思っていながらも辞められず、心や体を壊してしまう。これでは働く意味がありません。当然ながら、時間もムダになります。
忍耐力や褒め言葉にとらわれてしまい、ボロボロになるまで環境を変えられないと手遅れ必至。
ヤバいと思ったらすぐにでも対策をするべきで、体が壊れてからでは遅いのです。時間も体も消耗してしまいます。
体を壊して活動できない期間はまるまる損ですし、調子が悪くて活動効率が落ちるというのも時間的に損。
ブラック企業をすぐにやめるべきなのは健康の面もあるのですが、時間の損失という点も見逃せません。
ブラック企業にはやめさせない仕組みが存在するところもありますから、逃げ道を探すなどして早めに予防線を張っておいたほうがいいでしょう。
早めの対策をしておくことで、消耗も少なく抑えられるのです。
まとめ
お金の投資となれば多くのひとが注意して投資をしますが、時間の投資に関しては多くのひとが無関心です。
実際には時間は貴重で、よく考えて使わないとムダになってしまいます。ある意味でこっちのほうが使うのがむずかしいです。
扱うものがお金から時間に変わったとしても、やることは変わりません。
必死で情報を集めたり考えたりして、最終的には自分で判断。損切りも迷いなく行う。お金の使い方にセンスが現れるように、時間の使い方にもセンスが現れるものです。
インベスターZには投資のことが色々と書かれており、考え方の参考になります。日常生活にすぐに使え、またお金以外のところにも応用がきくので、時間に余裕があれば読んでおくといいです。