自己啓発と読書について感じたことを。
毎日読書していて思うのですが、自己啓発本ってマネーリテラシーがないとあんまり効果がないように感じます。
先ほどもいい本を見つけようと読書していたのですが、これまたムダ本にあたってしまったなぁと。
仕事論についての本を読んでいたのですが、思いのほか自己啓発の要素が強くてビックリ。特に気になったのは「お金なんていらない、やりがいがあればいい」という主張一辺倒だったことです。
お金を悪者扱いする本でマトモなのを見たことがないんですが、気のせいでしょうか?
正直言って、マネーリテラシーがないと自己啓発本はむずかしい気がします。
やりがいばかりを強調して幸せだの語られるのは、わたしとしてはシニカルな目でしか見れません。
お金というのは本質的な部分をわかりやすい形で表してくれるので、そういうのが避けて語られるというのには何かあるんだなとさえ考えてしまいます。
目に見えないものを定量的に表してくれるのに、どうしてそれを避ける必要があるんでしょうか?
自己啓発本に書いてある通りにするなら、お金の問題は避けては通れません。
その核となるものを排除するというのは、本質的なものから目を背けることと同じです。
生きがいややりがいばかりが強調される
お金が邪魔者扱いされてやりがいだけが強調されていたため、わたしはその本を終始シニカルな視点からしか見ることができませんでした。
自己啓発において語られるのは理想論であり、当然それだけでは成り立ちません。
現実論とあわせていかに対処するかが重要であり、どちらか片方だけでは不完全です。
自己啓発本に書いてあることを鵜呑みにすると、まずうまくいきません。
やりがいや生きがいについては幻想そのものですし、自己投資や勉強については都合のいい消費者になる類のことばかりです。
自己啓発といっても結局はリテラシーが必要なことに変わりはなく、特にお金について考える能力がないと本質を見失います。
学校教育ではお金についてほとんど教わりませんから、自己啓発については両極端な意見になりがちです。
「そんなの幻想だ」と言って否定するか、「ウホッいい考え方!」と絶賛するかのどちらかがほとんどを占めます。
そこに中立的な意見が存在するのはまれで、結局コンテンツ止まりとなるものがほとんどです。
アヤシイ本の方がマトモってどういうことよ
自己啓発の多くはやりがいや生きがいが強調されすぎており、かえってアヤシイお金関連の本の方がマトモに見えるほどです。
情報収集という観点からすれば、理想論と現実論の両方が書かれている本のほうがいいといえます。
もちろんこれは読む本をまちがった典型であり、コンテンツとしてのすばらしさという観点からすれば逆転してもおかしくはありません。フィーリングで選んだわたしが悪いです。
そこから学ぶべきはポジティヴな表現や文章であり、考え方やノウハウについては期待すべきではありません。
自己啓発はエネルギー源にはなりえます。
たしかに現状に疑問をもって解決に向かう姿勢は大切ですが、プラクティカルなものが必要なのも事実です。
実用性でいった場合、ケーススタディ的な書かれ方をしている本の方がためになります。
取り扱いには細心の注意を!
自己啓発本にはセミナーや教材への誘導が書かれているのも存在します。
精神的に問題がない場合には問題ないのですが、ボロボロになっているところにそれが来られたらたまったものではありません。
平常時は誘導だと気づけますし、そもそもそのような時に「幸せになろう」なんてものは気になりません。
しかし精神的に崩れてくると、普段は引っかからないようなものですら引っかかったりします。
精神的にボロボロなときというのは抵抗力も失っており、アヤシイ誘いに乗ってしまいやすいもの。うつ病にでもなると、そこらへんの区別すらつきづらくなります。
つまるところ精神的な抵抗力が弱まってしまうと、普段は流されないような方向に流されてしまいます。
これを悪用したのがブラック企業の洗脳であり、過酷な環境下での新人研修はまさにその典型です。
肉体的・精神的に疲れているときほど、自己啓発や儲け話には注意しましょう。
簡単に幸せになれる方法なんてありませんし、オイシイ案件が一般人に紹介されるというのもおかしいことです。
こういうのは言葉で理解するのは簡単なのですが、努力して防がないと誰でも餌食になってしまいます。対策としては、徹底した自己管理で回避するしかありません。
まとめ
自己啓発はコンテンツとしてはいいのですが、セミナーで搾取されつづけるひとがいるというのも事実です。
肯定的に書かれているからこそシビアな視点から見る必要があります。
精神的に弱っているときは幻想や願望が真実となってしまい、自己啓発本の極端さにも気づきにくいです。
自己啓発本を読むにあたっては、お金を除け者扱いしてないかという点について十分注意する必要があります。
お金を除け者扱いしたうえに巻末に広告があるとか、リテラシーのないひとはカモにされるでしょう。
自己啓発本は一見して簡単なように見えて、実はそこまで簡単ではないのです。
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ブラック企業の件については物性的な視点から書きました。
精神的なものと物性的なものが100パーセント同じというわけではありませんが、似ている部分は多いです。