みなさんはデータや数字といったものに対して、どのような感想を持つでしょうか。
大半のひとはこう思うことでしょう。
「データで考えるなんて無機質だ!」
「数字に性格が現れるとでもいうの?」
データや数字で考える手法について、嫌悪感を示すひとは少なくありません。
しかし実際には、数字を見ると性格や考え方がだいたいわかってしまいます。
言いかえれば、クセや人格は数字にそのまま出るのです。
リアルで会うのと同様に、データでの分析もいいヒントになります。
あれこれ考えた結果が現れるのがデータや数字であり、それはそのひとを要約したものに他なりません。
絶対値と率の区別ができれば、人物をはかる手法としては結構な威力を発揮することでしょう。思考やクセが現れるのがデータな以上、無機質とはとてもいえないのです。
データはウソをつかない
データや数字には、本人が意識しても隠し切れない部分が現れます。
それが個性や性格と呼ばれるものであり、特に自分でデータを集める場合においては効果的です。
文章であれば、言葉の持つイメージによって悪いところを隠すことができます。
たとえば、同じ「大企業」という言葉であっても、売上が3兆円の会社と30兆円の会社とでは大きなちがいがあります。
データを見てみればそれらのちがいに一瞬で気づくことができ、両者に大きな差があるのがわかるでしょう。
そこに割り算で計算するなどの操作を加えてやれば、どこがどうなっているのかが意外とわかるはず。データを見ることにより、言葉で隠された部分に気づけるのです。
このように、言葉は弱点を隠すことができます。
そもそも言葉というのはひとによって定義が異なるものであり、自分と相手が共通の定義を持っているという保証もありません。
それを利用すればひとを欺くというのも容易であり、情弱は簡単に引っかかってくれるでしょう。
データを見ない人間ほど、言葉に耐性がありません。
対して、データに着目するというのは言葉によるバイアスを吹き飛ばせます。
いくらいい表現をしようとも、数字にはちゃんと出るものです。
他との比較をする際、定性的に比較するのと定量的に比較するのとでは精度が段違い。
データを見てやることで、相手のウソを封じることができるのです。
絶対的な値、相対的な割合には個性が現れます。
それらを他者と比較することで、相手がどのような傾向を持つかがまるわかり。
おもしろいものからエグいものまで、いろいろなものが見えてくるでしょう。
公開されているデータと非公式なウワサとを組み合わせれば、内部の様子が結構見えてきます。
数字を見ればまるわかり
そもそもの話、データや数字というのはアウトプットです。
いいかえれば結果であり、人間があれこれ工夫したものが生産物として現れる。
さまざまなプロセスの結果が数字という形でアウトプットされるのです。
数字や数式は、人間の本質を表します。
データというのは結果であり、それはプロセスによって作られる。
そのひとが工夫に工夫を重ねたのがアウトプットに現れるのであり、データとして現れない方がおかしいでしょう。
データでは測れないというのにはムリがあります。
この方法における注意点としては、なるべく自分の手でデータを集める方がいいです。
もし他人が集めたデータを利用する場合、強調するためにソースを偏らせた可能性も考えられます。
そのような情報はバイアスがかかっているので、鵜呑みにするとまちがった結論が出かねません。ここは注意すべきポイントです。
家計簿は身近でわかりやすい
上記のことを確かめる例としては、家計簿がわかりやすいでしょう。
最近ではスマホアプリで支出が管理でき、月ごとに比較することもできます。
いちいちパソコンやノートを開かずともデータを記録できるので非常に便利。
そこに記録されたデータから自分のクセがわかってしまいます。
食費の割合が大きい場合には消費傾向がありますし、本に投じた金額が多い場合は自己投資に力を注いでいる傾向があります。
行事関連での出費が多ければ、それだけ人付き合いに力を入れている証拠。
それらは必ずしも正しいとは限りませんが、当てはまる部分は結構あるでしょう。
時系列で比較したり、そのときの自分の様子と比較することにより、グロテスクな部分まで見えてくるはずです。
ブログをやっているのであれば、データとの照合をしてみるとおもしろいです。
当時の自分はどんな感じだったのかがブログを見ればわかり、それがデータに出てくるもの。
個性やクセ、もっと言えば精神状態までわかってしまいます。
自己投資?消費?
ただし、本や外食費などデータによっては注意が必要です。
たとえ本を買ったといっても、「話題になっているから買った」ということまでは表現できません。
そこを分けて管理しているならいいでしょうが、分けないで管理しているひとが結構いるはず。データを見るといった場合でも、そのような点には気をつけなければなりません。
外食費についても同様で、誰と行ったか、何のために行ったかまでは読み取るのがむずかしいです。
一緒に行った相手が自分より格上ならそれは投資になりますし、いつものメンバーで行ったのであればそれは消費。
これを改善する手段としては、行った店の名前を記録するなどが挙げられるでしょう。
ブログやSNSアプリを使うとラクです。
数字で現れる情報とキーワードを組み合わせれば、精度はかなり上昇します。
さまざまなツールを使いこなすことで、どこをどう改善したらいいのかも見えてくるはず。
数字に重きを置く一方で、キーワードを補助的に活用する。
家計簿アプリとブログ・SNSサービスの組み合わせは、簡単ながらもかなり大きな効果をもたらします。
性格や考え方がお金に出る
上記のことに注意して家計簿アプリのデータを分析すれば、自分という存在がいかなるものかが見えてきます。
家計簿には金銭的な体質が現れるもので、比率をメインに考えればおおよその傾向がわかるもの。
分析することで、どこが悪いのかもハッキリとわかります。
データというのは性格を現します。
お金というのはその典型的な例であり、本人の考え方や価値観がそのまま出てくるものです。
人々が考えたり行動したりした結果が数字になって現れるのであり、性格と無関係には扱えないでしょう。
生じた結果には何らかの原因が存在します。そしてそれを分析することで、いい点と悪い点の両方が見えてきます。
まとめ
データを用いて考えることができれば、かなり効率的に時間を使えます。
もし何か問題が起こったのであれば、その原因となるものが過去のデータに現れているはず。特性がデータとして現れるのです。
家計簿というのはデータの身近な例です。
食費まわりを入念に見てやることで、消費傾向がわかることでしょう。
月末にお金が不足するようであれば、まずはそこから見直すべき。
性格がまんまお金の使い方に現れるのであり、問題が起こったらまずはデータを見ればいいのです。
お金と向き合うことができなければ、人生と向き合うことすらできない。
自分の性格が現れるのがお金の使い方であり、それと向き合うというのは自分と向き合うことでもあります。
その意味でお金の使い方や消費クセを知るのは重要で、いい自己分析になるでしょう。
そのように数字というものは思考回路や行動の結果であり、無機質と呼ぶのはむずかしいのです。